たびのはなし

女1人で世界一周×3したわたしが旅に関するエッセイ・予備知識を得るための本・旅行記などを勝手に紹介

モンキームーンの輝く夜に

『ガンジス河でバタフライ』で一躍有名になった「たかのてるこ」さんのラオスに行って恋をしてしまった、というかなり赤裸々な旅行記というよりは告白をまとめた本。

 

ラオスの首都ビエンチャンで市場に行った時に日本語を勉強しているという青年に会う。本の中にも書いてあるが、「日本語を勉強している」という怪しい人は世界に多数いて、まず信用してはならないというのが旅人の鉄則である。

 

しかしそこは分かっていても著者はあれよあれよといろいろなところを案内されて、ふとした時につかんだ彼の手にキュンとしてしまう。彼の家族に会ったり、いろんなことがトントン拍子で進んでいき、二人は結婚の約束をするのであった。

 

読んでいる側からしたら「えー!」って感じだったし、これってよく女の一人旅でよく聞く現地の人とのその時だけの盛り上がっちゃった恋愛なんじゃないかって思った。一応本の中では、帰国してからも関係継続中で本気で結婚を考えているところまで書かれていたが、読み終わった後さすがに気になって調べてみたら、のちに別れて彼は今別の人と結婚したとのことだった。

 

本の中ではラオスのことよりも、その恋愛が一気に燃え上がって、しかもリアルな話だから読んでいる方もドキドキさせられる。「えー!」と思いながらも、結局今はどうなっているんだという野次馬根性すら発揮させられてしまうような素敵な物語であった。

 

肝心の本書におけるラオスについて。ラオスのゆる〜いお国柄がとってもよくわかる内容になっていた。確かにラオスってゆるくて人が良くて、行った印象としては永遠に子どもの時の夏休みが続いている感じだった。どこに行っても一種の怖さというか、そういうものを感じなかった。

ラオスってどういうところだろう」と興味を持った時にまず読んでみるととっても好印象だと思うし、間違った印象を書いていないと思う。ラオスに行くための必読書ではないが、少し興味を持ったならこの本からゆる〜く入ってみてもいいのでは。

ただし著者のこの行動力と物怖じのしなさ、コミュニケーション能力の高さがあったが故にいろいろな縁ができていっているし、英語が少し喋れるということなので、(恋愛以外の部分で)同じような経験ができるかと言われると、それは違うということを認識するべきだ。

 

残念だったのは、本のメインが著者の恋愛話だったため、冒頭でラオスの地図や旅行ルートを載せているにも関わらず、行き方や北部の民族に関する描写がとても少なかったことだ。著者のファンであればそんなのはどうでも良く、楽しく読める告白本であると思う。

 

 <まとめ>

ラオスの雰囲気はとてもよくわかる

・著者のコミュ力があるからこそラオスのたくさんの魅力を知った感じ

・観光にいく人が何かを知りたい時には読んでも仕方がない